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第1回 お布施のこと

長らく準備中でお待たせしましたが、いよいよ連載を始めさせていただきますこのコーナー、「仏教豆知識」。

第一回は「お布施」についてです。

お寺といえば、お布施がつきもの。
「さすが、坊主丸儲けだな。」と思ったあなた、まあちょっとお聞きください。

現代でお布施といえば、もっぱら現金の形でなされるのがほとんどですが、実は、布施はお金でするだけではないんです。

書いて字のごとく、もともとの起源は布を施(ほどこ)すことが「お布施」でした。
昔のお坊さんは私的に財産を持たなかったので、着るものも信者さんから頂いた「端切れ布」を縫い合わせた粗末な衣でした。
ですので正確には、現代のお金で行うお布施のことは「財施(ざいせ)」と呼びます。

京都に住んでおりますと、ときどき建仁寺さんなど禅宗寺院の若い修行僧さんたちが托鉢に練り歩いているところに出くわしますが、この托鉢のうつわにお米1合入れたり、野菜を入れたりしてくれる、昔ながらの信者さんもおられると思います。
でもやはり、お金を布施するかたのほうが、きっと今では多いのでしょうね。

ちなみに、お布施はお坊さんが貰うだけではありません。
お坊さんから信者さんに布施することもあります。
法要でお坊さんがお説法などしますことは「法施(ほうせ)」といいます。法を施すわけですね。

他にも、優しいまなざしを周囲に配る、「眼施」。
人に対していつも穏やかな笑顔で接する、「和顔施」。
相手を思いやる言葉で話す、「愛語施」。
荷物を持ってあげるなど体を使った作業をする、「身施」。
自己中心的でなく、周囲の人に心を配ってあげる、「心施」。
座って休める場所を人に提供する、「壮座施」。
疲れを癒す場所を提供する、「房舎施」。

以上の7つの布施修行は「無財の七施」といってお金が無くても、いつでも誰にでも、心がけひとつでできる最も大切で基本的な布施として広く勧められているものです。

日本人は「無宗教」だ、なんてことをよく耳にしますがなんのなんの。昔から親が子に躾ける人間としての
基本的な態度、心がけは、仏教の精神に基づく布施修行とまったく同じものだったわけです。
「和顔愛語」の実践をできるだけ心がけて、日本をもっと穏やかで住みよい社会にすることができればほとけ様やご先祖様もきっと喜んでくださることでしょう。

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